1. ainとは
AI従業員を運用する統合SaaS
ainは、AIを「支援機能」ではなくヒューマン従業員と同列の運用主体(AI従業員)として扱うAI Employee SaaSです。 自社サービス(Looma/Musvi/Formula/Facetなど)および外部SaaSと連携し、業務フローの自動化とAI従業員の運用を一体で提供します。
ainの目的は、AIに文章を作らせることではなく、業務を標準化フローとして資産化し、ワークスペース上で「会話 → 決定(合意) → タスク → データ」へ確定反映させることです。これにより、業務の引継ぎ単位を「作業」から「ポジション(職務)」へ引き上げます。
AI従業員が「人員」として成立する4条件
- コンテキスト:組織/タスク/データ/登録済みナレッジを正として参照できる
- 権限:許可された範囲で行動できる(ヒューマン権限の継承)
- 確定反映:成果が運用オブジェクトとして確定・追跡できる
- 統制:承認を組み込み、安全に運用できる
本マニュアルの構成
- 主体・権限の管理(CommonAuth)
- プラン・契約・課金(Hub)と運用導線(Portal)
- 組織・プロジェクト・タスク(Looma/Formula)と会話・合意(Musvi)
- ワークスペースとAI従業員(Ain)、成果物・ファイル基盤(Facet)
- AI Employee Marketplace(職務テンプレ流通/計画)
2. 主体・権限管理
ヒューマンとAI従業員を同じ主体モデルで扱う
ainは CommonAuth で認証・主体同定を行い、 AI従業員を例外化せずヒューマンと同じ主体モデルで扱います。これにより、AI専用の権限体系を増設せず、 組織が慣れているヒューマン向け権限設計をそのままAI従業員へ適用できます。
主体の種別
- ヒューマン:従業員、契約者、ゲスト等
- AI従業員:Ain が管理する実行主体(職務テンプレ・実行ポリシー付き)
権限の階層(業務側の認可)
- 契約単位(Hub):契約者、コラボレーター、ゲスト
- 組織・役割(Looma):オーナー、管理者、メンバー、職務(ジョブ)と責任範囲
- プロジェクト/タスク(Formula):管理者、アサイニー、レビュアー
- 成果物・ファイル(Facet):閲覧/編集/削除権限、機密区分
- ナレッジ(Knowledge Base/計画):閲覧権限とAI利用可否を分離して管理
運用上のポイント
- AI従業員の許可範囲も既存の認可・permission checkの上で評価される
- 承認や監査ログは「ドラフト→承認→確定反映」の標準動作に統合
- 未登録のファイルや Wiki ページは、正式なAIの参照対象から構造的に除外される
3. プラン管理(Hub)
席課金 + AIクレジット + アドオンの三層課金
プラン・契約・課金のSSOTは Hub が担います。 ainの課金は「席課金」「AIクレジット」「アドオン(定額/従量)」の三層で構成し、各サービスの利用量を Metering Exporter で集約し、Stripe決済に反映します。
プラン体系(案)
- Standard:個人事業主/小規模(〜10名)。ドラフト生成+承認後確定反映(制限あり)。コア機能。
- Business:小〜中堅(10〜100名)。承認後確定反映+運用強化。権限・組織運用。
- Enterprise(将来):大企業。SSO/統制/拡張アドオン。個別見積。
価格前提(初期案)
- 席単価:¥1,980/席・月(税別)
- 平均席数:5席/契約(初期想定)
- AIクレジットARPA:¥1,000/契約・月(Phase 4以降に増加見込み)
- アドオン:外部連携パック、追加容量、自動承認枠(審査あり)等
- トライアル:N日間、AIクレジット限定枠、トライアル中はプラン変更・アドオン購入を制限
プラン作成・運用の流れ(Backoffice)
- Hub Backoffice の「プラン管理」を開く
- 「新規プラン作成」または既存プランを選択
- 課金方式(席/クレジット/アドオン)、トライアル、利用可能機能を設定
- 保存すると即時有効化(非アクティブ状態での保存も可能)
メータリング対象(例)
- AI:推論回数、トークン消費、エージェント同時実行、ジョブ数
- 連携:コネクタ利用、APIコール、転送量、同期頻度
- ストレージ:容量、保持期間(Facet)
- ナレッジ/RAG:Embedding、索引更新、権限付き検索クエリ
4. 契約・サブスクリプション運用
HubとStripeを一体で運用
契約・請求・入金管理は Hub と Stripe を一体で運用します。継続バッチによりプラン契約の延長・終了処理を 実行し、利用量集計と請求を整合させます。
契約ライフサイクル
- プランを選択(Standard/Business)
- 契約期間・更新方式(自動/手動)を指定
- 申込・承認フロー(自動/手動承認)を経て契約成立
- Portal からアプリ起動・メンバー招待を実施し、運用開始
- 継続バッチで契約延長/終了を判定
決済失敗時の運用
- 督促 → 一定期間後の利用制限 → 入金後復旧を標準化
- 未回収リスクを抑制し、キャッシュフローの安定を確保
返金・解約条件
- 料金ページと約款で返金・解約条件を明示
- 即時解約/期日指定解約/猶予期間付き解約に対応
- 解約後のデータ保持期間は事前確認のうえ運用
よくあるミス
- トライアル設定漏れによる即時課金
- アドオンの上限制御未設定による粗利圧迫
- Metering Exporter 連携漏れによる請求不整合
5. 組織・プロジェクト・タスク
Looma × Formula × Musvi で“前提・実行・合意”を統合
ainの業務運用は Looma(組織・役割・承認)、Formula(プロジェクト・タスク・ワークスペース)、Musvi(会話・合意)の3サービスで構成されます。AI従業員はそれぞれの「正」を参照し、 職務単位で業務を進めます。
Looma:組織・役割・承認のSSOT
- 組織ツリー、職務(ジョブ)、責任範囲、承認ルールを正として保持
- 人事ERP領域(任用・異動・評価、勤怠・労務、給与の前提情報)の母体
- AI従業員に「どの役割として、どの責任範囲で働くか」を提供
Formula:プロジェクト/タスク/ワークスペース
- タスクを運用オブジェクトとして正規化(担当・期限・完了条件を必須化)
- タスクに紐づくワークスペースで成果物(文書/表/CSV等)を作成・更新
- アサイニーは ヒューマン または AI従業員 から選択
Musvi:会話・合意の着地点
- 会話を決定事項(合意)として固定化し、後続のタスク/データへリンク
- AIの提案が「決定」として残り、追跡可能な状態になる
標準化フローの運用
- 業務を標準化フローとして登録(手順・完了条件・成果物形式・承認・権限を型化)
- 案件/プロジェクトを立ち上げ、標準化フローからタスクを生成
- タスクをAI従業員またはヒューマンに割り当て
- ワークスペースで成果物を作成・更新
- 承認を経て成果物とタスク状態を確定(Musviで合意を固定化)
- 実行履歴を蓄積し、同型業務へ再利用
6. ワークスペースとAI従業員
Formulaワークスペース × Ain
Formulaのワークスペースは、タスクに紐づく作業空間です。AI従業員は Ain の管理下で実行ポリシー・ 利用可能ツール・承認要否を持ち、ワークスペース上でドラフト作成や更新提案を行います。承認後に 成果物とタスク状態が確定反映されます。
ワークスペースの構成要素
- 参照コンテキスト:組織(Looma)/タスク(Formula)/合意(Musvi)/データ(Facet)/登録済みナレッジ(KB)
- 成果物:文書/表/CSV/設計メモ等。フォーマットと完了条件(DoD)を定義
- 実行主体:ヒューマン または AI従業員
- 承認:ドラフト → 承認 → 確定反映の標準動作
- 履歴:実行履歴・会話履歴・成果物バージョン
AI従業員の運用
- Ain が AI従業員・ツール・実行ポリシーを管理
- ain起点のオーケストレーションで Musvi/Formula/Facet/Wiki/KB/ERPモジュールを横断利用
- 権限・承認・監査ログは横断的に統制
- 共通LLM(common-llm)経由で推論・Embedding・与信を整合
コンテキスト参照の原則
- AIはすべてを読まず、タスクキー(組織ID/プロジェクトID/タスクID/ラベル/機密区分)に基づき必要分のみ参照
- 未登録のファイル/Wikiページは正式なRAG入力にならない(ドラフトとの混線を防止)
7. 成果物・ファイル・ナレッジ
Facet × Wiki × Knowledge Base の役割分担
ainは「保管・執筆できているのにAIが参照できない/参照できすぎる」状態を避けるため、ファイル・Wiki・ ナレッジを同一の権限境界で扱いつつ、責務を分離します。
Facet:オブジェクト/データ統合基盤
- 業務・アップロード由来のオブジェクトストレージ(Intake/Object・ブローカ経由のread/write/list)と台帳
- 分析向けレイヤ(Data Product/DWH/カタログ等)へ接続するデータプラットフォーム
- Musviの添付、Formulaワークスペースの成果ファイルなどを同一ポリシーで扱う
Wiki(計画):構造化ページ
- スペース・ページとして、手順・仕様・議事録・運用ノウハウを構造化して執筆・閲覧
- KBへの登録導線とFacetファイル・権限モデルと整合
Knowledge Base(計画):登録・索引・RAG
- ファイル・Wikiページを Candidate/Document として登録
- メタデータ・機密区分・AI利用可否・状態(レビュー/承認)を管理
- 権限フィルタ付きの検索/RAG API を提供
- 未登録コンテンツは業務ナレッジおよび正式なエージェントRAGの対象外
外部連携
- 外部ストレージ(Google Drive、SharePoint 等)
- 外部DB/DWH(Snowflake、BigQuery、MySQL 等)
- 連携は ain 起点で呼び出し、AI従業員による遂行とヒューマンによる統制を中心に設計
8. AI Employee Marketplace(計画)
職務テンプレ(AI従業員)の流通基盤
AI Employee Marketplace は、AI従業員(役割・ワークフロー・権限プリセット)を流通させるための基盤です。 「AI従業員で構成される会社」を再現可能な型として展開し、標準化フロー自体を社外へ提供・流通させることを 目的としています。リリースは 2027/2 を予定(マーケットプレイス開始フェーズ)。
流通対象
- 職務テンプレ(AI従業員):役割・責任範囲・許可ツール
- ワークフロー(標準化フロー):手順・完了条件・成果物形式・承認
- 権限プリセット:ヒューマン権限をそのまま継承する設定群
公開範囲
- 非公開(自組織内のみ)
- 限定公開(特定組織・パートナー契約)
- 完全公開(誰でも利用可能)
運用
- Marketplace手数料(流通額 × 手数料率)として収益化
- 改訂配信・バージョン管理に対応
- 利用状況・評価をダッシュボードで確認
9. ヒント・FAQ
導入と運用のコツ
よくある質問
- Q: 小規模(2〜10名)でも効果がありますか?
A: はい。Phase 1の主戦場として想定し、標準化フローとワークスペース、ドラフト→承認→確定反映の流れを 最短で価値到達できるように設計しています。 - Q: AI従業員専用の権限設計は必要ですか?
A: 不要です。CommonAuth で主体を同定し、Loomaの権限体系をそのままAI従業員へ適用します。 - Q: 既存のERP/PM/RPAと競合しませんか?
A: ainは標準化フローとAI従業員運用、確定反映を中核に据え、外部システムとは統合レイヤ経由で連携します。 ain起点で呼び出し、AI従業員が業務を遂行、ヒューマンが統制する設計です。 - Q: AIがアクセスして良い情報の範囲は?
A: 既存の認可・permission checkを共有し、未登録のファイル/Wikiページは正式なAI参照対象から 構造的に除外されます。Knowledge Base 経由で登録・承認・AI利用可否を統制します。 - Q: 提供開始時期は?
A: 2026年Q2に MVP(コア認証 + Hub/Portal 最小セット)を提供開始。Looma、Facet、ain(AI従業員)、 データ基盤、AI Employee Marketplace(2027/2)まで段階リリースを予定しています。
運用のコツ
- 導入初期は標準化フローのテンプレを活用し、カスタマイズは段階的に行う
- AI従業員の参照コンテキストはタスクキーで限定し、情報過多による誤判断を抑える
- 成果物フォーマットと完了条件(DoD)を早期に固定し、レビュー効率を高める
- 高リスク操作には承認を強制し、低リスク領域から段階的に自律度を上げる
- クレジットとアドオンの上限制御を設定し、粗利と推論コストを管理する